フィーナ達は作戦を決行し、惑星ハルコタンの黒の領域に降り立った。

レイヴン「んー、なんか拍子抜けだな」

フィーナ「そうですね。黒の民がすぐ出てくるものだと思っていました。」

ロゼ「なんだか、白の領域より黒の領域の方が嫌な感じがしますね。」

ジーク「ん?やっとお出ましのようだぞ」

ジークが指差した方から体長約6メートルくらいの鬼のような黒の民が数体こっちに走り向かって来た。

黒の民A「コロス!」
黒の民B「シネ!」

黒の民は敵意剥き出しでフィーナ達を襲ってきた。

フィーナ「待って下さい!私達は話をしに来ました。黒の王はどこにいますか?」
フィーナは黒の民の攻撃を避けながら説得を試みるが、

黒の民A「ココハクロノリョウイキ。クロノタミイガイハコロス!」
黒の民B「オウノイバショモオシエナイ!」

フィーナ(、、、やっぱり直接王に会って話をした方がいいですね)

レイヴン「隊長!やっぱり話が通じねぇ。倒すぞ!」

フィーナ「はい。討伐を許可します」

レイヴン「っしゃ!こいつらは俺一人で十分だぜ!」

レイヴンは黒の民の真上にジャンプし、そのまま拳を地面に叩きつけ、発生した衝撃波を利用して、黒の民達を一掃した

黒の民A「バ、バカナ、、、」
黒の民B「ム、ムネン、、、」

レイヴン「まぁ、こんなもんかな♪」

ロゼ「凄い衝撃波でしたね♪」

レイヴン「まぁな♪」

フィーナ「やっぱり黒の王に直接会いに行きましょう」

ジーク「だな。黒の民達じゃ話にならない」

レイヴン「黒の王はどこにいるんだ?」

ロゼ「たぶんですけど、先程から見えているあのお城かと」

ロゼが指差した方向に黒い城が建っていた。

フィーナ「行きましょう。あそこが可能性として一番高そうです」
レイヴン、ジーク、ロゼ「了解!」

ー黒の城ー

フィーナ達は慎重に黒の城に新入学し、王の間付近にたどり着いていた。

レイヴン(なぁ、まだちまちま動くのかよ。鬱陶しくなってきたぜ)
ジーク(静かにしろ。)

フィーナ(王の間はもうすぐのはず、、、)

ズシン!!

強烈な振動が起き、フィーナ達は急いで震源地に赴いた。
するとそこには黒の王が倒れ、黒の王の前に黒装束の子供が立っていた。

フィーナ「あ、あれは【双子】!!」
レイヴン「まじか!なんでここに?」
ロゼ「ど、どうします?」
ジーク「戦うか?」

?「戦う?誰と?」

背後から子供の声が聞こえ、一同は間合いを取るため四方に散った。

フィーナ(しまった!もう一人に気がつかなかった!)

レイヴン「ちっ!いつの間に!」

ジーク「こいつがダークファルスか」

フィーナ「見つかってしまったのは仕方ありません。戦いましょう」

ロゼ「私達だけで勝てるでしょうか?」

ジーク「戦わないと殺られるだけだ」

レイヴン「おうよ!」

【双子男】「僕と遊ぶの?」

バシュ、、、バシュ

【双子男】「?」
【双子男】は一瞬何が起きたか分からなかった。腕に違和感を感じ、確認すると、銃で撃たれたことが分かった。

ジーク「話掛けてくるな、クズ」

レイヴン「オラアアアア!!」
レイヴンが【双子男】の体に連続殴打を繰り出した。
レイヴン「隊長!」
渾身の一撃で【双子男】をフィーナの前へ吹き飛ばした。

フィーナ「任せてください」
フィーナは居合いの構えをとり、飛んできた【双子男】に対し、飛ぶ斬撃を繰り出した。
フィーナ「青龍蒼覇刃!」
飛ぶ斬撃は青い龍の形になり、【双子男】の体を捕らえ、切り裂いた。

ロゼ「まだ追撃しますよ」
ロゼはロッドを使いバータで【双子男】を氷付けにして、特大のバーンをぶち当てた。

フィーナ「皆さん。いい感じです。この調子で行きましょう」
一同「了解!」

【双子男】「いいね♪君たち♪今までのアークスより全然面白いよ♪」
体はぼろぼろだが、笑みを浮かべて楽しそうに話す。

ジーク「ふん、余裕こきやがって」
ロゼ「私達ならいけそうです」

しかし

~一時間後~

レイヴン「ちっ!いつ倒れるんだよ!」

フィーナ達は【双子男】を連携攻撃で追い詰めるはずが、いくら攻撃しても【双子男】が倒れることがなかった。

フィーナ(ダメージもそれほど与えられてない、、、どうして)

【双子男】「もう終わり?ふーん、まぁ君たちはよく動いたほうだよ♪」

ジーク「ちっ!簡単にはいかねぇか」
ロゼ「もう一人の【双子】と引き離して正解でしたね」
フィーナ「そうですね」

【双子男】「引き離す?ずっといるよ♪ほら♪」
【双子女】「引き離す?ずっといたよ♪ほら♪」
【双子男】の後ろから、いきなり【双子女】が現れた。

フィーナ「え?」
ロゼ「そんな!?」
レイヴン「まじか」
ジーク「っ!」

【双子男女】「「イタダキマス♪」」
レイヴン「っ!」
ジーク「っ!」

突如【双子男女】が腕をかざすと、大きな口が現れ、レイヴンとジークを一口で食らった。

フィーナ「ジークさん!レイヴンさん!」

ロゼ「フィーナさん!危ない!」
フィーナの背後にも大きな口が迫っていたが、フィーナは気づかなかった。それをロゼが庇い、フィーナを突飛ばす。

フィーナ「っ!」
フィーナが振り返ったときには足から腹部まで大きな口に喰われているロゼの姿があった。

ロゼ「よかっ、、、た、、、フィーナ、さん、を守、、れた」
ロゼは血を吐きながら、笑っていた。

フィーナ「ロゼさん!」
フィーナは駆け出したが、

バクン

次の瞬間ロゼの残りの上半身を大きな口が丸呑みした。

フィーナは立ちすくした。

【双子男】「あーあ、一人になっちゃったね♪」
【双子女】「あーあ、ひとりぼっちだね♪」

【双子男】「じゃあ♪友達作らなきゃね♪」
【双子女】「じゃあ♪もっと友達作らなきゃね♪」
すると、【双子男】がまた腕をかざすと大きな口が現れ、口の中から何かが現れた。

フィーナ「え、、、」
フィーナは目を疑った。なぜなら口の中から現れたのはロゼだったからである。

【双子女】「まだまだ♪」
同じ動作でジーク、レイヴンを口の中から出した。

フィーナ「っ!これは、模倣体!」

【双子男】「正解♪」
【双子女】「君たちも黒の民と同じになれるよ♪」

フィーナ「黒の民と同じ?、、、、、まさか!」

【双子女】「そのまさかさ♪黒の民みーんな食べちゃった♪」

フィーナ「そんな!酷いことを、、、、、、っ!」

いきなりレイヴンの模倣体がフィーナに襲いかかる。
さらにジークがアサルトライフルで射撃、ロゼがロッドで法撃を繰り出す。

フィーナ「くっ!」
フィーナは繰り出される攻撃を捌きながら、隙を探していた。
するとレイヴンが拳を大きく振りかぶった。

フィーナ「そこです!」
フィーナは低い回し蹴りを繰り出し、がら空きだったレイヴンの両足を払った。
するとレイヴンが背中から倒れ、隙だらけに。
フィーナは止めを刺そうとしたが、、、

ーー孤児院のガキ達の生きる希望になるのならそれでいいーー

フィーナの刀の鋒が止まった。

フィーナ「っ!、、、、刺せないよ」
フィーナはレイヴンの言葉を思い出し、涙を浮かべる。

フィーナが止めに戸惑っていると、バーンが直撃した。

フィーナ「きゃぁ!!」
しかし、受け身をしっかりとり、体勢を戻す。
フィーナ「はぁはぁ、、、」

ふと、模倣体の動きが止まり、話し出す。

ジーク(模倣体)「シンライニコタエレルヨウドリョクスル」

ロゼ(模倣体)「フィーナサンハワタシノアコガレナンデス」

フィーナ「っ!」
フィーナは模倣体全員が涙を浮かべていることに気がついた。
フィーナ「皆さん、、、」

ロゼ(模倣体)「ワタシタチヲコロシテクダサイ。ワタシハフィーナサンヲコロシタクナイデス」

ジーク(模倣体)「アンタハイキロ。オレタチノイキタアカシニナッテクレ」

レイヴン(模倣体)「タノム。オレタチニナカマヲコロサセナイデクレ。タイチョウ」

フィーナ「くっ!うああああああああ!!」
フィーナは意を決し、突進し、ロゼ、ジーク、レイヴンの模倣体の首を跳ねた。

フィーナ「許しません!」
フィーナは【双子男女】に向き刀を構え、フォトンを集中させた。

すると、フィーナの角が発火し、刀に電気が帯びた。

【双子男】「何何?何するの?」
【双子女】「何何?何が起きてるの?」

フィーナ「はぁはぁ、これで最期の一撃です!」
そう言うとフィーナの刀が莫大な電気を放ち始めた。
フィーナは一気に【双子男女】の前に間合いを詰め、

フィーナ「麒麟滅牙斬」
莫大な電気を帯びた刀で【双子男女】の二人をまとめて一閃した。

【双子男】「ぐわああああ」
【双子女】「ぐわああああ」

バキンッ
フィーナの刀は折れた。

フィーナ「はぁはぁはぁはぁ」
フィーナは力なく膝をつく。

【双子男】「今の一撃は痛かったね♪」
【双子女】「今の一撃は凄かったね♪」

フィーナ(ここまでか、、、、、ごめんね父さん母さんレオ)
フィーナは気を失い倒れる。

【双子男女】「「それじゃ、イタダキマ、、、」」

次の瞬間炎の拳と大きな斧が【双子男女】を遠くへ吹き飛ばした。

マリア「今の内だよ!ヒューイ!」
ヒューイ「分かってるよ姐さん。死ぬなよフィーナ!」
ヒューイがフィーナを抱え上げ、マリアと共に黒の城を脱出した。