フィーナは1ヶ月の入院生活を終え、無事に退院した。

医師「もう大丈夫ですよ。」
フィーナ「ありがとうございました。」
医師「体の怪我は完治してますが、心の怪我は本人次第なので無理だけはしないようにしてください。相談も受け付けてますからいつでも来てください。」
フィーナ「はい。ありがとうございます。」

ー戦闘部エドガーの執務室ー

コンコン
フィーナがノックする。

エドガー「おう。どうぞ。」
フィーナ「失礼します。」
フィーナが執務室に入るとエドガーは変わらず煙草を咥えながら、机の上で足を組んでいた。

エドガー「来たか。そろそろ来るころだと思っていたところだ。」
フィーナ「ご迷惑おかけしました。」
エドガー「こっちこそ、見舞いに行けなくてすまんかったな。」
フィーナ「あの、今日来たのはこれです。」
フィーナは2通の封筒を提出した。封筒にはそれぞれ離部届と退職届と書かれていた。
エドガー「・・・」
エドガーは黙って受け取り中身に目を通す。

エドガー「これがお前の答えか?」
フィーナ「・・・はい」
エドガー「まぁ、ステラ達から報告は受けてたけどな。」
フィーナ「部隊長としてけじめをつけるべきです」
エドガー「その心意気は素晴らしい、がお前がそこまでする必要はない。」
フィーナ「しかし、何もしないのは私自身が納得出来ないです。」
エドガー「しかしもお菓子もねぇ。離部届はお前の意思を尊重して受理するがアークスは続けろ。」
エドガーはフィーナに退職届を突っ返した。
フィーナ「っ!」
フィーナは黙って受け取る。
エドガー「ふっ、それでいい。後は任せます。」
フィーナ「?」
エドガーの目線の先の方に振り向く。

フィーナ「っ!マリアさん!」
振り向くと壁に寄りかかった六芒均衡の一人マリアがいた。
マリア「やぁ。フィーナ。無事に退院できたようだね?そっち話も終わったようだね。」
フィーナ「マリアさんがなぜここに?」
マリア「お前さんの行く宛の案内さ。フリーのアークスは何したらいいのか分からないだろ?」
フィーナ「それはそうですが、まだアークスを続けるとは、、」
マリア「続けな♪人事を管理する総務部としての命令だ♪」
フィーナ「えぇ~」
マリア「ついてきな」
フィーナ「・・・」
エドガー「行ってこい♪」
フィーナ「・・・はい!」

フィーナはマリアに連れられて、ショップエリアの外れにある『御三家』と書いてあるカフェ&バーのお店に来ていた。

マリア「ここだよ♪」
フィーナ「カフェ&バーですか?」
マリア「ああ。ここのマスターがアークスなのさ。」
そう言うとマリアはドアを開けた。

マリア「秀じい。ちょいと邪魔するよ♪」

お店に入るとすぐ目の前にバーカウンターがあり、眼帯をした初老のデューマンの男が立っていた。

秀じい「マリアさん!まだ開店してないですよ?」
マリア「今日は客じゃなくて、バイトの子を連れてきたんだよ。人手が欲しいって言ってたろ?」
秀じい「あぁ♪そちらの綺麗なお嬢さんが志願者ですか?」
フィーナ「えーと、、、そうです。」
マリア「それじゃ私の仕事は終わりだね♪」
フィーナ「あ、マリアさん。」
マリア「ん、なんだい?」
フィーナ「遅れましたが、助けていただいてありがとうございました!」
フィーナは深くお辞儀した。
マリア「ふん、感謝はアークス続けて返しな♪」
フィーナ「はい♪」

マリアが去った後、秀じいが店内の説明を一通りした。

秀じい「どうぞ」
秀じいは新しく淹れたコーヒーをフィーナに渡す。
フィーナ「織川さんありがとうございます♪」
秀じい「フィーナさんのことはマリアから聞いています。余計な詮索しませんので。あと、私のことは秀じいとお呼び下さい♪」
フィーナ「ありがとうございます。」
秀じい「従業員用の部屋もあります。自由にお使いください♪」
フィーナ「あの、本当にいいんですか?急に押し掛けたのに」
秀じい「いいですとも!綺麗なお嬢さんがいた方がお店として人気が出そうですし♪」
フィーナ「ふ、普通ですよ!秀じいがよろしければ、不束者ですがよろしくお願いします♪」
秀じい「ほほ♪こちらこそよろしくお願いします♪」
二人は握手した。