【目覚めると、目の前には、水色髪の白衣を着た科学者の様な男性が立っていた】
???「初めまして、僕の名前はルーサー」
ルーサー「本来は君のデータを解析して終わるはずだったんだけど、なんなんだ君は、データを読み取ろうと、電気を流した瞬間再生し始めるなんて・・・もっと興味が湧いちゃうじゃないか!」
ルーサー「あっそうだ、再生し切るまで電気を流し続けるの面倒だから、フォトンを吸収する機能と電気を生み出す機能が付いたコアに改造させてもらったよ、言語もこちらのモノをインストールした」
ルーサー「君の記憶データは実に面白かったよ、まさか僕達の知らない文明があったなんて、ところでなぜ話さないんだい、パンテオン君?」
パンテオン「・・・ずっと独り言を言っているのかと思っていました」
ルーサー「酷くないか君!?、初めましてと名乗りをして、独り言と思われたのは地味にショックなんだが!?・・・」
パンテオン「ところでルーサー、ここはどこなんです?あなたは何者なんです?、」
ルーサー「いきなり呼び捨てか、まぁいい、ここは宇宙船マザーシップ、そして僕は科学者でありフォトンを研究しているフォトナーさ」
パンテオン「フォトン?」
ルーサー「そうか、君の記憶を見た限りフォトンの発見まで発展しなかった様だね」
ルーサー「簡単に説明すると、使っても拡散するだけで、また集めれば再度使える、宇宙を漂う無限のエネルギーかな、そしてさっきも言ったと思うが君のコアをフォトンに代用できる様に改造した」
パンテオン「道理で・・・前と比べてエネルギー効率がいいことに私自身、違和感がありましたから」
ルーサー「パンテオン君に頼みたいことがある、僕の助手にならないか?」
パンテオン「いいですよ」
ルーサー「意外と回答早いな」
パンテオン「まず、私はあなたに修復され助けられた様な形であり、何より部屋が散らかっているのが気になる」
ルーサー「いや、これらは研究資料だから、決して散らかっている訳では・・・」目を軽く晒す
【ルーサーに改造されてから数ヶ月が経過した、助手として実験や家事などの仕事をこなしながら黙って何かしている日々】
ルーサー「実験が成功した!」
パンテオン「実験?前に言っていたシオンの器ですね?」
ルーサー「ああ、そうだ、一度も失敗せずにフォトンを取り込める肉体を作ることができた」
パンテオン「失敗しないための、大量の研究資料なんですけどね」
ルーサー「そこは僕の知能を褒めるところだろ!?」
パンテオン「助手として一度、器を見ておきたいのですが?」
ルーサー「そうだね、一度君に見せておこう、こっちだ」
【ルーサーについて行き、研究室に入ると水色の髪をした女性がカプセル内にいた】
パンテオン「なるほど、これが器・・・」モニターに近づき記録を読む
パンテオン「ルーサー、この女性・・・あなたのクローンでは?」
ルーサー「よく分かったね、僕の遺伝子配列をいじって女性にしたんだ、シオンは女性の見た目をしているからね、それに自分の遺伝子なら何をしても罪悪感ないだろう?」
パンテオン「確かに、同じ型番だと、気がれなく壊れた同胞のパーツを使い、自分の修理ができるのでわかります」
ルーサー「少し違う気がするが、ともあれ実験は成功だ」
パンテオン「では成功を祝して、美味しい料理を作りましょう」
ルーサー「最近思うのだが、君は一体どこで食材を手に入れているんだ?僕の貯金を使っていいとは言ったが、流石に見たことのない食材が多い」
パンテオン「言っていなかったのですが、惑星を一つ買いました」
ルーサー「はぁ?」
パンテオン「食品会社を立ち上げました」
ルーサー「待てッ、待ってくれ、話が見えないって起業したのか⁉︎」
パンテオン「ルーサーの貯金で」
ルーサー「なッ」顔が段々青ざめていく
パンテオン「〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇掛かりました」
ルーサー「・・・僕の研究費・・・」顔は真っ白になった
パンテオン「売り上げは上々でルーサーの給料の役2000倍稼げてます」
ルーサー「そういう事は早く言いたまえ‼︎」顔色が戻った
【カプセル内の女性は微笑んだ、パンテオンはそれに気づく】
パンテオン「ルーサー、カプセル内の器、自我芽生えてないですか?」
ルーサー「何!?」あまりにも出来事が重なり過ぎたため、ニヤニヤしている
パンテオン「作られた物に魂が宿る、親近感、がありますね、先に戻って食事の支度をしてまいります」研究室から出ると部屋に戻る
【食事をテーブルに並べていると、ドアが開きルーサーが入ってきた】
ルーサー「器の名前が思いついたぞ!名前はハリエットだ!」
パンテオン「で?名の由来は?」
ルーサー「子供の頃に読んだ恋愛小説のヒロインの名前さ、確か結末は爆発落ちだった様な・・・」
パンテオン「それ本当に恋愛小説ですか?」
ルーサー「多分・・・それより、せっかくの食事だ、冷めないうちにいただこう」ナイフとフォークを持ち早速チーズ入りハンバーグから手をつける
数日後・・・
通信:蛇人「社長!軍人用保存食が大量発注されました!生産追いつきません!」
※【蛇人】パンテオンが惑星ごと購入した先住民、食品会社の職員として雇用し、何不自由なく暮らしている
※【食品会社】パンテオンが立ち上げた会社、社名は〔ラビットアイ〕、蛇人達が命名した
パンテオン「では、装置α2と装置β1、それと装置δ4を起動してください」
通信:蛇人「えっ!?いいんですか?」
パンテオン「はい、無限に食料を生み出すので、通常時に使うと食品の値段が下がるので使わなかっただけですから」
通信:蛇人「分かりました社長、後ですね、嫌な予感がするので、宇宙船の起動をしても・・・」
パンテオン「争いの予感ですか?なら起動しても構いません、20機全て飛べる状態にし、何かあったら、直ちに宇宙船に退避してください」
通信:蛇人「ありがとうございます社長!ではまた後で!」通信が切れる
パンテオン「私も何か準備しなくては」自身の調整に入ろうと自室を出ようとする
ルーサー「大変だパンテオン!、上の連中がコピーシオンを暴走させたぞ!」
パンテオン「コピーシオン?確か上層の人達が数ヶ月前に作った物ですね」
ルーサー「そうだ、あれほど僕が忠告したのに、未熟な複製体をこき使うから暴走するんだ」
ルーサー「今までも、ロクな実験をせずに作っては捨て作っては捨て、まったく知性のカケラも感じないね」相当キレてる様子
パンテオン「ルーサー、私は急いで戦闘用の装備を作ってきます、ではまた」
ルーサー「追加で何か分かったら連絡するよ」
パンテオンは自室を出て兵器製造部に向かった
パンテオン「お邪魔します」兵器製造部の扉を開け入る
スタッフ一同「ラビットアイの社長ー⁉︎」驚き職員達は変な声を出してしまう
スタッフ「どうされたんですか、こんなところに来て」
パンテオン「武器やロボット兵の大量発注など、来ていませんか?」
スタッフ「はい、大量に発注されてますが・・・どうしてそれを?」
パンテオン「私のところも、軍人用保存食の大量発注が来ていたので」
スタッフ「えっ!?そちらもですか!?」
パンテオン「設備の一部を借りてもいいですか?」
スタッフ「どうぞどうぞ、宇宙船と武器を沢山買ってもらったお得意様ですから、それと美味しい物をたまに送ってくださってありがとうございます」一同頭を下げる
パンテオン「ではこちらを借ります」
スタッフ「はい!」
廃棄された武器や装置を集め分解と組み立てを始める
スタッフA「嘘だろ⁉︎そこからそんな物が作れるなんて・・・」
スタッフB「勉強になりますね・・・」
程なくしてパンテオンの装備は完成した
パンテオン「では、私はこれで帰ります」
スタッフ一同「勉強になりました‼︎ありがとうございました‼︎」一同頭を下げる
パンテオンは兵器製造部を後にした
通信:蛇人「なんかすごく巨大な気持ち悪いのが現れました!?映像送ります!」
それは惑星と同等サイズのナニカだった
パンテオン「総員退避」
通信:蛇人「もう惑星とナニカから離れました」
パンテオン「急いで私も向かいます」向かおうとすると
ルーサー「待てパンテオン、あれはシオンの複製体、フォトンがある限り再生し続ける」
パンテオン「だからと言って、戦わない選択肢はありません」
ルーサー「分かった、何を言っても向かうつもりなんだな、パンテオン!これを持っていけ、よいしょっと!」大きなトランクをパンテオンに投げつけた
パンテオン「ルーサー、これは?」トランクを開けると中には大剣が入っていた
ルーサー「試作で作った、名前はプレートソードだ」
パンテオン「・・・」
ルーサー「何か不満でもあるのか?なんだ、言ってみた前」
パンテオン「正直言って、もっと他に名前なかったのですか?あまりにもそのまま過ぎます」
ルーサー「他に何かあるのか⁉︎」
パンテオン「そうですね、コードエッジはどうでしょう?」
ルーサー「纏う刃・・・くっ!採用」
パンテオン「では、行ってきます」
ルーサーは軽く手を振った
そこにはボロボロになったパンテオンの姿があった、装備のほとんどは破損や欠損をしている、パンテオンは一時的だが、どうにか深遠なる闇を倒したが、時期に復活するだろう
彼はルーサーやハリエットがいるマザーシップへと帰還した
パンテオン「これは・・・」廊下には新しい血痕があり、どうやら自室に続いているようだ
パンテオン「誰ですか・・・」自室のドアを開け部屋の中を確認すると、血を流し壁に寄りかかる人物がいた
パンテオン「ルーサー⁉︎」駆け寄ろうとするが片足が破損しその場に転ぶ
這いずりルーサーへと近づく
ルーサー「遅かったじゃないか・・・ハリエットは連れて行かれてしまったよ・・・」傷口を押さえながら険しい顔になる
パンテオン「一体・・・なぜ・・・」ルーサー同様、壁に寄りかかる
ルーサー「ハリエットは元々シオンの器を作る過程で生まれた存在だ・・・上の連中に目を助けられ、連れて行かれてしまった・・・クソ!うッ」痛みで思わず苦痛の声が
パンテオン「ですが・・・ハリエットを器に使うには、」
ルーサー「それでもアイツらはハリエットを使うだろう、器としてか、エサとしてか・・・」
パンテオン「ハリエットを救出しッ」
ルーサー「場所が分からない以上!救出は不可能だ」ルーサーは悔しそうな顔をする
15時間後
パンテオンのナノマシーンにより、ルーサーと共に体の再生をしているとアナウンスが流れた
アナウンス『コピーシオン、通称・深遠なる闇の完全な封印に成功しました、シップ内は喜びの歓喜に包まれております♪』
パンテオンもルーサーもやりきれない気持ちになった
数ヶ月後
ルーサー「よし!これで深遠なる闇に対抗できる、さすが僕だ」
ルーサー「パンテオン、起きろ」
パンテオン「もう終わりましたか?ルーサー」パンテオンは起動し起き上がる
ルーサー「深遠なる闇は倒せない、なら考え方を変えよう」
ルーサー「深遠なる闇はフォトンの塊であり、フォトンがある限り再生する」
ルーサー「つまりだ、深遠なる闇を取り込みエネルギーとして消費し続ければ、悪さはできないだろう」
パンテオン「ありがとうございます、ルーサー、必ず深遠なる闇を押さえ込みます、この私の新たなコアで」
ルーサー「とはいえ、深遠なる闇の封印が解けるのは、おそらく500年から700年後、気が遠くなる様な遥か未来、確実に僕は寿命でシんでいるだろうね」
ルーサー「流石に僕のシに顔は見たくないだろう?だから君に長期睡眠プログラムを搭載した、ナノマシーンのおかげで君は再生し続けるだろうし、破損する可能性は低いだろう」
パンテオン「ハリエットを取り戻した後は、」
ルーサー「そこは僕が君宛に記録を残そうと思う、全知の存在であるシオンに、ハリエットの救済方法を聞く、僕が分からないことは、彼女なら知ってるはずだ」
ルーサー「何故か、会いに行っても姿を見せてくれないけどね」
パンテオン「ルーサー、何か嫌われる様なことでもしたのですか?」
ルーサー「そんなはずは・・・ない・・・と思う、心当たりが全くないからね」
数日後
パンテオン「亜空間の生成も安定してきました、準備はこれでいいですか?」
ルーサー「僕が知っている亜空間とは、違う気もするが・・・」
ルーサー「とにかくだ、おやすみパンテオン、未来を頼んだ」
パンテオン「了解、長期睡眠プログラム起動、お休みなさい」パンテオンは長き眠りについた