月光は等しく

 男は若いウミンチュである。城下で育った都会育ちの彼の周りには、陸人種を蔑む言葉で溢れていた。

 彼にとって、陸人種は会ったことはないが陸でしか生きることのできない「ヒレ無し」の劣等種であった。