潮騒のギターレイン
男は異端であった。音楽を愛するウミンチュにとって楽器やジャンルは幅広い。
それでも男のそれは音楽の粋を超えていた。歯でギターを弾いてみたり、聞き手に向かってダイブしたり、ギターを叩き割ってみたり。
周りのウミンチュはそれを理解できなかった。いや、当の本人さえも理解できていなかった。
男はただ、ロックっぽいことをしたかったのだ。ロックを愛するが故に、である。 男はロックとは何か…その答えを探している。