つぐみのストーリーログ:042:あなたはどこへ行くのか_前編

「私は数百年の時を生きてきた」
(???)

もし万が一、と暗殺者は考えた。
「もし万が一、私の体に何かがあれば・・・つぐみの体を乗っ取り、依頼を継続する」

最後になり、仕事の想定を頭の中でいくつも巡らせる。
今回はいつも以上に失敗のできない、そういうターゲットである。

ふと、幼い日のことを思い浮かべる。

普段は忘れ去った、遠い日、まだ姉がいた頃の記憶。


つぐみがハルファの医療センターで検査を受けている同時刻、
仲間たちがラッピー捕獲隊のチームスペースで寛いでいる。
その時、なぜかチームスペースに置かれている白い石が光りだす。

そして石からささやく声に導かれ、一同は夢の中へと誘われる。

あなたはどこへ行くのか_前編ログ


「まったくもう」
瓜二つの双子の姉妹がかけっこをしている。
一人は息も切らさずに、もう一人は息を切らしてよたよたとついてくる。

「お姉ちゃん、疲れたあ」

よたよたしている女の子が声をあげる。

「だーめ、もっと体力つけないと、大人になったらお仕事できないよ」
お姉ちゃんと呼ばれた方が励ますように声をかける。

「えへへー、お仕事はお姉ちゃんのお手伝いするからいいもーん」
息を切らしながら甘えたように、すこし間延びをする声で話す。
「お手伝いじゃなくて、一緒にお仕事しよ。これからもずっと二人一緒なんだから」
お姉ちゃんと呼ばれた女の子はそう言うと、止まってぎゅっと、妹を抱き寄せる。

「ずっと一緒、約束だよ」
「うん、ずっと一緒だよーお姉ちゃん」