エルピスのストーリーログ:その手を取って

「あ、もうこんな時間…」
ベッドの上にたくさん出された衣類の中から白いシャツと緑のスカート、それからたまご色のセーターを手に取って着替え、それ以外の衣類を急いで仕舞う。
最後にドレッサーの前で髪型とメイクの最終チェックをして、鏡台の前のアクセサリー収納ケースから雪の結晶を象ったイヤリングを取り出し、耳に着けて部屋を出る。

少し小走りで約束の時間の5分前に待ち合わせ場所に到着する。どうやら彼はまだ来ていないみたい。
小走りしたからか、緊張しているのか、高鳴り出した鼓動を落ち着かせるように胸に手を当てて深呼吸しながら約束の時間を待った。

少しすると、いつものようにまっすぐな目と優しい声とともに彼の姿が近づいてきた。

―アークスシップ(ロビー)の一角―
榊 光一      : [漫符: 笑い線] あ、こんにちは、エルピスさん。ごめんね、待った?
エルピス      : あ、こんにちは…!いえ、全然…私もきたばっかです!
榊 光一      : あはは、ありがとう。今日はちょっとナベリウスに用事があって。一緒に行きたいなってね
エルピス      : [漫符: 笑い線] ナベリウスですか?はい、私で良ければご一緒しますよ
榊 光一      : [漫符: 笑い線] うん、ありがとう。ちょっと捜し物が・・・標本用の花らしくて
エルピス      : 花…ナベリウスは植物も色々種類ありますもんね
榊 光一      : うん、しかもなんか良い感じの・・・ってぐらいしか聞いてなくて
エルピス      : [漫符: 笑い線] いい感じの…;依頼者さんも結構ふわっとした方なんですね
榊 光一      : うん、退治とかの仕事なら良かったんだけど・・・ごめんね、一緒に探して欲しくて
エルピス      : [漫符: 笑い線] あ、いえいえ…むしろこういうお仕事のほうがお役には立てそうな気がします
榊 光一      : [漫符: 笑い線] その服汚さないようにしないとね・・・うん、今日も似合ってるよ
エルピス      : [漫符: 照れ線] えへへ…ありがとうございます
エルピス      : あ、じゃあそろそろ行きましょうか?
榊 光一      : うん・・・あ、そうだね。【見ていたのをはっとして】
榊 光一      : それじゃ行こうか

―惑星ナベリウス 森林エリア―
榊 光一      : [漫符: 笑い線] ふう・・・それじゃ行こうか。もう花いっぱいあるけど
エルピス      : あ、ですね。この辺だけでも結構な種類が…
榊 光一      : [漫符: 笑い線] エルピスさん、花詳しい?
エルピス      : うーん…詳しいと胸を張って言えるほど詳しくはないですね…でも人並くらいにはたぶん…
榊 光一      : ううん、それだけでも十分。僕は花は全然・・・特にアークスの活動地域の草木はよく分からなくて
エルピス      : [漫符: 笑い線] あ、そうなんですか?じゃあ私、頑張りますね!
エルピス      : 光一君の地元の星には珍しい植物とかありました?#その辺の植物を手で探りながら
榊 光一      : [漫符: 笑い線] うん、頼りにしてるね。うん、ナベリウスは結構僕の地元に似てる・・・かな?【一緒に探りながら】
エルピス      : あ、そうなんですね。気候とかもじゃあこういう感じですか?
榊 光一      : うん、四季があるから冬は雪降ったりするけど・・・春とかこんな感じかな・・・あ、これは【葉を手に取り】
エルピス      : へー…
榊 光一      : アークスシップも四季があって凄いよね・・・星に住んでるみたいだし
榊 光一      : うん・・・似たような葉だけど・・・
榊 光一      : ん・・・地元の星だと毒を持った葉によく似てたから・・・うん、そういうのしか詳しくなくて【手を入念に拭き取って】
エルピス      : へー…あ、この辺のも見た目じゃよく分からないので色々注意しながら見てった方がいいかもですね
榊 光一      : エルピスさんは・・・花とか好きで覚えたのかな?
エルピス      : あ、昔は室内で過ごすことが多かったので植物図鑑とかも読んでた時期があって…
エルピス      : きっかけは花が好きというよりは、暇つぶしに近かったかもしれません…
榊 光一      : うん、前に言ってたよね・・・あはは、でも興味があったってことだよね
エルピス      : [漫符: 笑い線] あ、まあ…そうですね。やっぱりお花は綺麗ですし。
エルピス      : そういえば依頼者さんは「いい感じの…」ってお話でしたけど、贈り物か何かなんでしょうか
榊 光一      : んー、標本にするっていうから研究なのかな・・・こういう青い花とかいいのかな
エルピス      : 研究なら種類多めにサンプリングしていく方がいいかもしれませんね…
榊 光一      : [漫符: 笑い線] そうしたら・・・すこしずつ持って行けばいいのかな?エルピスさんはどんな花が好き?
エルピス      : そうですね…ドライフラワーのカスミソウとかお店で見たときいいなぁって前思いました
榊 光一      : カスミソウ・・・確か白い花だっけ?
エルピス      : [漫符: 笑い線] あ、そうですそうです
エルピス      : 光一君は好きな花とかありますか?
榊 光一      : うーん、派手な花より綺麗な花のが好きかな・・・名前はぱっと出て来ないけど
榊 光一      : [漫符: 笑い線] カスミソウ・・・エルピスさんらしくて良いね
エルピス      : [漫符: 笑い線] 綺麗な花…あ、ですよね。花の名前ってメジャーどころ以外は覚えてる人のほうが少ないですし
榊 光一      : [漫符: 笑い線] 花束とか見てても、あんまり花の名前分からなくて。
エルピス      : [漫符: 笑い線] あー…でも私も分からない花の方が多いです
榊 光一      : ん・・・この花はこれが良いかな?【花掴み】
エルピス      : 光一君は花束とか結構買ったりすることあるんですか?
榊 光一      : [漫符: 笑い線] んー・・・用がないと買わないかな・・・エルピスさんは買う?
エルピス      : あ、研究ならフリンチブロッサムとかも採集しに行った方がいいのかな…
榊 光一      : フリンチブロッサム?
エルピス      : 私も買わないですね…結構送り出すときとか特別な時にしか買いませんもんね…
エルピス      : あ、前に植物学者の方がC隊と捕獲隊に採集依頼を持ってきた植物なんですけど
エルピス      : 火気で爆発する珍しい性質があるので研究するなら採集した方がいいのかなって…
榊 光一      : そっか、結構好きな人は買ったりするけど・・・あ、そういう花があるんだね?
榊 光一      : [漫符: 笑い線] ちょっと探してみようか?
エルピス      : あ、そうなんですね。そういえば私とルームシェアしてる子も花は結構持ち帰ってるの見ますね
エルピス      : あ、じゃあ探してみましょうか#そこら辺をガサガサ
榊 光一      : [漫符: 笑い線] ああ、そういえばルームシェアしてるってのも前に聞いたね?うん、どういうのか分からないから教えて
榊 光一      : そういえば・・・【エルピスさんの手を見つめて】
エルピス      : あ、あったあった…!たしかこんな感じので…#フリンチブロッサムを採取し
エルピス      : あ、なんでしょう…!?
榊 光一      : その花がそう?あ・・・ううん。人に触るの、どうしたかなって?
エルピス      : あ、そうですね…周りの方に協力してもらって練習したりはしてるんですけど…あんまり改善はしてないですね…
榊 光一      : そっか・・・でも練習したりしてるんだね?それだけでも凄いよ
榊 光一      : 僕も練習に付き合ってもいいかな?
エルピス      : そうでしょうか…あ、もちろんです!
榊 光一      : うん、すこしでも役に立ちたいし・・・
榊 光一      : [漫符: 笑い線] エルピスさんと一緒に居たいしね
エルピス      : [漫符: 笑い線] ふふ…ありがとうございます
榊 光一      : ・・・本気、だよ【エルピスさんの目を見て】
エルピス      : えっと…でも私、こんなのですよ #グローブを見て
エルピス      : 普通の女の子みたいには手をつないだり、肌を触れ合ったりできませんし、これだっていつ克服できるか…
榊 光一      : ううん、関係ないよ。そうやって、克服しようとしたり、自分で頑張ろうって思ってるエルピスさんだから
榊 光一      : 一緒に居たいって思えるし・・・【グローブの手を握って】
榊 光一      : 聞いて貰っていいかな?【手を握ったまま立って】
エルピス      : あ、え…はい#手を握られて緊張しながら
榊 光一      : エルピスさん【まっすぐ見て】
榊 光一      : 好きだよ

あ、まただ…。私は彼のまっすぐな目に弱い。思えば月に停泊中のチームシップで初めて会ったときからよく目が合った気がする。
同い年のフォースの男の子、最初はいいお友達になれればなって思ってた。

でも、私が泳げないって言ったときは、手を引いて泳げるようになるまで一緒に練習してくれた。
亡霊の騎士の退治依頼があったときは私の手を取って一緒に避けてくれた。
私が体質の話をしたときも手伝うと言って手を取ってくれた。
そうして今も手を握ってくれている。グローブ越しではあるけれど、手を握った時に感じる過去のフラッシュバックよりも大きな暖かい感情を自分の中で感じる。
まっすぐな瞳で、優しい声で、暖かい手で、いつも私を引っ張ってくれている。

私の中でどんどん彼の存在が大きくなっていっている。
泳げるようになったときのように、近接の動きができるようになってきたように、彼と一緒なら私の過去も乗り越えていけるかもしれない。

そう思って、私は握られた手にもう片方の手を重ねるようにしてその手を取って答える。

エルピス      : あの…私も前からずっと気になってて…気づいたら目で追ってて…前に手を握ってもらったときもドキドキしてて…
エルピス      : 今も手を握ってもらってやっぱり好きなんだなぁって思うし…あの…私も前からずっと好きでした
榊 光一      : [漫符: 照れ線] ・・・ありがとう。うんと、えっと・・・エルピスさん、やっぱり可愛いね
榊 光一      : [漫符: 笑い線] ・・・ごめん、何言ってるか分からなくなっちゃった。
エルピス      : [漫符: 笑い線] ふふ…なんですかそれ…#照れたように笑って
榊 光一      : 思ったこと喋っちゃったよ・・・うん、エルピスさん好きだよ。付き合ってください
エルピス      : はい…私で良ければ…喜んで
榊 光一      : [漫符: 笑い線] ありがとう、よろしくね・・・
エルピス      : [漫符: 笑い線] えっと…はい、よろしくおねがいします…!

——————————————–――——————————————–
はい!きゅきゅさん今回もありがとうございましたー!
読んでいただいた方もありがとうございます!

足を引っ張るガールですが、愛想をつかされないように頑張っていきたいですね!
そして皆さんの恋バナも楽しみに待機しています!(; ・`д・´)デハデハ!