キャラ設定:mitsuka

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プロフィール

【性別】男
【年齢】29歳
【種族】ヒューマン
【主なクラス】レンジャー・ガンナー
【性格】粗暴な言葉使いだが根は優しく
    家族思い
【好きなコト】家族の写真を見る事
【嫌いなコト】家族の安全を脅やかす存在
【家族構成】六つ下の弟と妹(双子)
【血縁関係】弟:シロウ 妹:クロナ

元傭兵部隊「旅団」の中隊長兼射撃部門特別教官。銃火器全般の扱いは心得ているが、火薬を使わないこの星の銃の扱いはまだ慣れていない様子。
現在はラッピー捕獲隊と共に行方不明になった弟と妹の足取りを追っている。

【プロローグ】
少年は田舎の小さな家に家族5人で暮らしていた。決して裕福な生活では無かったが、優しい両親と可愛い双子の弟妹と幸せに暮らしていた。昼間は父と猟に出掛け、夜は双子をあやしながら母と話をする。少年にとってかけがえないこの時間がずっと続くものだと信じて疑わなかった。
年月が経ち双子も大きくなり父の代わりに少年が猟を任される事になった。少年の射撃の腕前は大人にも劣らず、猪や熊など多くの獲物を狩り、少しずつ生活が豊かになっていった。
ある日いつもの様に双子に猟を教え、帰路につくと村のある方角から黒い煙が上がっているのが見えた。急いで帰る3人だがそこで見た景色は赤一色。少年達はなす術なく、ただただ見慣れた家々が焼け崩れていくのを見る事しか出来なかった。炎が落ち着くまで一夜かかり、ようやく村に入る事が出来た少年達。だがそこで見た光景は悲惨なものだった。焼け焦げた柱を背にし、後ろ手で拘束された数々の住民だったなにか。まず疑問に思わなければいけなかった、何故これだけの火事で避難している人が一人も見当たらなかったのか。不可能だったからだ。何者かに拘束され避難が出来なかったのだ。少年達は全速力で自分達の家に向かい両親の無事を願ったが、其処には道中で見かけた物と同じ二つのなにか。泣き崩れる双子をその場に残し、涙を堪えながら家の中を捜索するも、見つかったのは四隅の焦げた一枚の家族写真のみ。外の双子に気付かれない様に涙を流した少年は生まれて初めて憎しみを覚えた。

【第一章】
俺たちの村が焼けてから3日、住人の埋葬も一段落した頃、村に武装した大人達が現れた。咄嗟に双子の身体を担ぎ物陰に姿を隠す事に成功した。一瞬見えたやつらの横顔が頭から離れない。震えが止まらない。全力で逃げろと本能が警鐘を鳴らしている。
(こいつらを逃す時間だけでも稼がないと、、、どうする、、、やるか、、、)
落ち着け俺、猟と同じだ。相手に気づかれない様に照準を合わせて引き金を引く。いつもやっている事のはずだ。そう考えると自然と震えは止まっていた。
「シロウ、クロナ にいちゃんが合図したら走って逃げるんだ」
「「にいちゃん!!」」
「大丈夫だ 時間を稼いだら俺もすぐに逃げる シロウ、クロナの手を離すなよ お前の方がにいちゃんなんだからな」
「うん、、」
「いくぞ3カウントだ 狩りで慣れているだろ」
「「うん!」」
「3..2..1」
猟銃を握る手に力を込め物陰から顔を出すと
「それで俺を殺すつもりか?」
目の前5㎝の距離に男の顔があった。咄嗟にその顔面目掛けて拳を振るうも受け流されそのまま組み伏せられてしまう。
「振り返えらず逃げろ!!」
二人の後ろ姿を目で追うと、それよりも速い速度で大人達が二人を追いかける。ダメだ捕まる。
「安心しろ獲って食ったりしねぇよ」

結局俺たちは呆気なく捕まってしまった。だが拘束される事も無く、猟銃も取り上げられてない。話しを聞くとこの人達はあるテロ組織を追って来た傭兵だと言う。俺達はこの村に何があったのか説明し、最後の生き残りだと伝えた。
「そうかぁ じゃあ頑張れよ」
最初に俺を組み伏せた男は、素っ気なくそう言いその場を去ろうとした。
「待ってくれ! 俺たちを連れて行ってくれないか 俺たちの村を焼いた奴らが憎い 出来るならこの手で、、、」
「、、、いいなその目 同行するのは勝手だが技術は自分で盗め ここに子守出来るほど暇なやつはいねぇ」
こうして傭兵部隊「旅団」に兄弟妹3人で加入する事になったのだが、俺たちが追っているテロ組織「使徒」の規模の大きさと思想の強さに驚愕していた。
要約するとこいつらは自らを神の使いと宣い、村や集落を焼き払う事で天に導いていると本当に信じているらしい。さらにこいつらは全世界に拠点があり、潰しても潰しても何処からともなく現れると言う。
「ゴキブリどもが」
こう締め括った部隊のリーダー、ファングは中肉中背の中年男性だが恐ろしく腕が立つ。その腕を見込まれ国からの要請で傭兵部隊を立ち上げ、3年で「使徒」の約1割を壊滅させたと言う。
「お前らも役に立て 自分の使命を果たしてぇならな」

其処から俺たちの日常は一転した。俺は銃の上達が速いらしく二十歳になる頃には作戦を任されことが増えてきた。
六つ下の弟と妹はそれぞれ剣術、医療技術と才能が芽生え始めており作戦に参加する機会も増えてきているようだ。
「兄さん作戦お疲れさまです!」
「クロナか お前もシロウと西の作戦に参加して来たんだろ?あっちも大変だったみたいだな 後で3人で晩飯でも食べよう」
「はい!後でシロウ兄さんに伝えておきます!!」
「頼んだ 最近あいつも思春期だからか俺の言う事全然聞かなくてな クロナも昔みたいにミツカにいちゃんって呼んでもいいんだぞ」
「結構です!」
「、、、そうか じゃあまた後でな」
「はい!」

シロウとクロナも明るくなった。今日まであの日の事は1日も忘れた事がない。だがこの手で親の仇が討てている。あの時の無力感は今は無い。このまま使徒の奴らは1人残らず俺が殺す。

【第二章】
俺たちは力をつけた。知恵を蓄えた。技術を身に付けた。着実に「使徒」の奴らは数を減らしている。俺は二十五歳になり「旅団」中隊長兼射撃部門特別教官としてこの身を戦場に投じて来た。
コンコン
「ファング大佐 失礼する」
「来たかミツカ中隊長」
「次の任務か?」
「あぁ奴らの動きが活発になってやがる 恐らく次は大きな作戦になるぞ」
「そうか 場所の見当は付いているのか?」
「最近使徒の目撃件数が英国の核融合研究施設にて増加している 奴らも焦っているのか随分と雑な動きだが危険なターゲットだと言う事に変わりねぇ」
「核か…奴らの作戦も最終フェイズが近いと言う事か」
「恐らくな ここで奴らも大多数が出張ってくるはずだ 今回は掃討戦になると想定しこちらも第壱中隊から第伍中隊までを出動させる お前には第参中隊の指揮を任せる」
「俺にか?」
「今までの実績と経験を加味して決めた」
「そうか 大佐が決めたならそれが最善なんだろう 因みに俺の弟妹はどこの配属だ?」
「ふん やっぱり気になるか お前が心置きなく戦える様に2人とも目の届く第参に配属してやった」
「感謝する」
「言葉はいい 成果を期待している 作戦開始まで推定2週間、それまで準備と休養をしっかりしておけ」
「了解した」

「使徒」の目的は核を利用して奴等の言うところの「神の炎」とやらを実現させるらしい。バカバカしい。狂っている。そんな大袈裟な物じゃなく、コイツらがやろうとしている事は単なる核爆発を起こすテロだ。阻止出来なければその街は更地になるだろう。
「、、、1匹残らず殺してやる」
復讐の為だけではない。そこに暮らす罪の無い民の為に。 

「アニキ」
「シロウか」
「次の任務が決まったのかよ」
「そうだ 今回は今まで以上に大きな作戦になるぞ お前達は俺が指揮する第参中隊に配属になった」
「マジかよ アニキと一緒かよ」
「そうだ にいちゃんの格好いい姿をちゃんと見ておけよ」
「アニキより前線で戦うんだから後ろ見れるかよ」
「、、、いやお前は後方の救護所の配置にする そこでクロナを守れ それがにいちゃんの役割だろ」
「何でだよ 俺だって力付けて、、、」
「まだ十九のお前を前線に出せるか これは上官からの命令だ」
「、、、分かったよ」
「お前達は俺が守るからな 見直したらまたにいちゃんって呼んでくれ」
「ガキじゃないんだからもうそんな風に呼ぶかよ」
「、、、そうか」

[2週間後 PM6:00 英国某所]
「使徒」が動き始めた。一般市民に紛れていたのかワラワラと湧いて出て来やがった。俺達が防衛する核融合研究所を取り囲む様に陣を敷いているが、、、こちらの想定通りの動きと戦力。敵数500。対してこちらは1000。問題無い。作戦通りならファングが率いる第壱が先陣を切り包囲網を一点突破。迅速に奴等の司令塔を捕縛後、遊撃隊となり奴等の後方から攻撃し戦力分散を図る手筈だ。
「動き始めたか」
ファングを先頭に第壱が包囲網を切り込んで行く。俺達は距離を詰められる前になるべく人数を減らす。
「銃撃隊攻撃開始」
「「「了解」」」
「スポッターは隊長格と思われる奴を探せ俺がやる」
「既に始めてます 前方ヒトヒト 距離342 もう1人、ヒトサン距離396」
「確認した 狙撃する」
タンタンッ 連続した2発の銃声が響き渡る。
「ヘッドショット確認 目標沈黙」
「引き続きスポッターは周囲の戦況を俺に送れ」
「了解」

暫く銃撃戦を続け最前線ではすでに近接戦が始まっている。随分と時間が経っているはずだが後方でファングが暴れている気配が無い。何か問題が起きたのか。
ピーーガガガ
「こちらファング! 応答しろ!ミツカ!」
「どうした? アクシデントか?」
「すまねぇ司令塔の尋問に手間取った! よぉく聞け今すぐ撤退だ! 既に工作員が研究所の、、、」キーーーーーンキーーーーーン
耳を押さえていても目眩がする様な不快音。まるでブレーキを踏んだままアクセルを全開にしている様な身の危険を感じる音だ。
「くっ何の音だ、、、」
「クソ始まったか! 司令塔の尋問によると、恐らく研究者として潜入していた使徒の工作員が核融合炉に過負荷を掛けたんだろう」
「なんだと!? つまり、、、」
「ここら一帯が更地になる」
「シロウ!クロナ!」
2人の顔を思い出した瞬間、体は振り返り脚は全力で地面を駆け始めた。
「待てミツカ!アイツらは最後方だろ!今から行っても犠牲が増えるだけだ!いつ過負荷に限界がきてもおかしくねぇぞ!」
「黙れ俺はにいちゃんだぞ!!」
「、、、お前はそういう男だったな」
「俺の声の届く範囲で撤退を促す あんたはその他の部隊の撤退を頼む」
「分かった 幸運を祈る」ブツン、、、

「頼むから無事に帰ってこいよミツカ、、、」
ファングは無音になった無線機を見つめ信頼している部下の無事を祈る。

「ハァハァ撤退だ!!今すぐ研究所から離れろ!俺が来た道は安全だ!」
もう少しで最後方だが徐々にこの不快な音が大きくなっている気がする。指示も通りづらいし、この音が原因か失神してる奴もいる。
「おいお前!、、マルクスか! あそこに倒れてるアイツを担いで行けるか!」
「中隊長!!大丈夫です行けます!!」
「救護所の奴らはまだ撤退してないのか?」
「クロナちゃん達ですか?負傷者を輸送車に乗せていたのですが、自分は撤退しろってシロウくんに言われてしまいまして、、、すみません!!」
「いい お前も肩に銃弾を喰らってるんだろ アイツを任せて大丈夫か?」
「任せて下さい!!」

やっぱりアイツらは自分より他の奴らの命を優先するか。
キーーーーン、、、キーーン、、、、キ、、、、、
「、、、音が止まった?」
「アニキ!」「兄さん!」
「クロナ、シロウ!!にいちゃんが来たからもう大丈夫だ 音が止まっている今のうちに撤退するぞ」
「了解です!負傷者は搬送まで完了してます!」
「アニキが居なくてもなんも問題あるかよ」
「そうかよくやった、なら行くぞ! ファングはいつ核融合炉の過負荷に限界が、、、」パキ、パキパキ、、パリンパリン
静寂から一変、何かが割れる様な音が周囲に響き渡る。研究所を中心に空にヒビが入りそこから光が差し込む。
「なん、、だ、、核爆発じゃ、、、」
徐々に亀裂が大きくなり空が崩れ落ちる。その先には更に青々とした空が広がり徐々に景色が入れ替わっていく。その異常な景色は研究所から一定の距離まで広がり
「止まった、、」
この研究所の周囲にだけ昼間が訪れ遠くの方では昼と夜の境目がはっきり別れている。地面はアスファルトの筈だったがいつの間にか草原になり
「黄色いトリか?」
突如前方に見た事もない黄色いトリが現れたが、目が合ったそのトリは慌てて逃げ去っていった。
「何が起こっている?、、取り敢えず警戒だ」
「、、、アニキ、、あれ」
シロウが指差す先には研究所の上に出来た禍々しい黒い球体。光すら吸い込みそうなそれは徐々に膨らんでいる様に見える。
「、、、あれから距離を取ろう、、嫌な予感がする」
「私もそれがいいと思います!!急いで向こうの夜の場所まで移動しましょう!」
「よし にいちゃんが先頭で周囲を警戒しながら進む お前達は後ろを追行しろ」
「「了解!」」

「ハァハァもう少しだ!脚を止めるな!」
後ろを振り返ると二人の険しい表情と目が合う。更にその後方では先程より大きくなった黒い球体が見える。
「膨張速度が速くなってないか、、、クソッ 急げ!あの玉ここまで大きくなるぞ!」
「まじかよ!」
「来てます!!来てますよ!!」
もはや黒い壁の様に見えるその禍々しい球体は恐ろしい速度で膨張を進め俺達を飲み込もうと迫って来る。
「見えたぞ!あそこが境界線だ!」
「ハァハァあれより大きくなったらどうすんだよ!」
「知るか!今はあそこを目指せ!」
草原とアスファルトの境界線まで残り10m程度だが黒い球体もすぐ後ろまで迫っている。
(間に合うか!?俺の距離ならギリギリ間に合うがアイツらは、、、)
後ろを振り向くと何か二人で話している様だ。
「アニキ!先に行け!」
「行ってください兄さん!」
「にいちゃんが行けるわけないだろ!」
スピードを緩めて二人の間に入り並走する。このまま二人の背中を押せば反動で俺のスピードは減速しきっと飲み込まれるだろう、、、だが二人を守れるなら本望だ!
「「せーの」」ドン
「なっ」
背中に強い衝撃。押し出される身体はアスファルトの上に転がる。
「「にいちゃん大好きだぞ!(です!)」」
回る視界の中はっきりと二人の声が聞こえた。
「シロウ!クロナ!」
体勢を整えた時にはすでに目の前は黒一色になり、球体の膨張は境界線で止まっていた。
「なんで、、、まだ、、間に合う、、はずだ」
黒い壁に向かって走り出したその時、今度は膨張と同じ速度で球体が収縮していく。徐々に遠ざかっていく壁は、何も無かったかの様に歪だった世界を修正していく。草原だった場所はアスファルトに、昼間だった空は星空に、二人が居たはずの場所には
「、、、いない、、、返せ、、シロウとクロナを返せ!!、、返してくれよ、、、ウゥ、」
黒の球体は恐ろしい速度で収縮していき、最終的には全ての異常を修復し何事も無かったかの様に消え去っていった。

「大佐報告します 使徒との戦闘による死亡数8人、負傷者数106人、謎の黒い球体による行方不明者数は隊員42人、研究所職員58人、対して使徒の死亡数およそ300、捕虜50、逃走者約150人。以上です。」
「ご苦労だったなぁ 想定より死亡者が少なくて良かったぜ」
「はい ただあの時に発生した謎の現象による行方不明者が100人に達してます」
「はぁ 一体何だったんだあれは」 
「各国の研究機関にデータを送っておりますが何処からも返事がありません」
「やっぱりか それはそうとミツカの奴は大丈夫か?」
「中隊長はあの後、三日三晩寝ずに研究所周囲を捜索しておりましたが今朝方倒れている所を発見しました」
「今日は寝かせてやれ」
「了解 それでは失礼します」
「ご苦労だったな」
バタン
「、、、はぁ、、ミツカだけでも無事で良かった あいつの損失は世界の損失だ 何が何でも立ち直ってくれよ」
一人呟くファングの願いは叶えられる事は無かった