『ネーダちゃん!ナギサさん!大変!ミドリさんが過労で変になってるっ!』
ラッピー捕獲隊のメンバー、文香からの連絡を受け、ネーダとナギサはリテムシティに向かった。興味本位でついてきたてへぺろも一緒である。
ミドリはリテムシティでソウラス討伐ミッションに参加していたはずだった。そのミドリに何があったのか。
リテムシティに着いた3人が見たもの、それは……
ネコ耳を生やしたミドリだった。
「え、えーと…… み、ミドリ先生……?」
恐る恐るナギサがミドリに声をかけると、
「フシャアアアアアアアアアッ!」
「!?」
「!?!?」
「!?!?!?」
ミドリが突然威嚇してきた。まるでネコのように。
どうやら、今のミドリはネコ耳が生えただけでなく、心までネコ化しているらしい。歩き方だけはかろうじて二足歩行を保っているようだが、意思疎通はできないようだ。
このような状況で、真っ先に原因として思い当たるのはただ一人。
「「……てへぺろさん、また何かしました……?」」
「いや違う違う!今回はホントにボク何もしてない!」
ネーダとナギサが揃ってジト目をしながらてへぺろに問いかけると、てへぺろは首をぶんぶん振るどころか360度グルグル回転させながら否定した。キャストだからできる荒業である。
「……どうやら、本当に違うみたいですね」
「でも、だったらミドリさんに何があったんでしょう……?」
「もしかして、本当に過労で壊れちゃったとか……?」
一同が困惑する中、目の前をカジキに乗ったファリアが横切った。
もちろん、それをミドリも目撃していたわけで。
ミドリの目が爛々と光った、ように一同には見えた。
「……そういえば、猫って魚が好きでしたよね……」
「そ、そう、ですねっ……」
「って、ことは……?」
一同が揃って同じ想像をした、その時。
「にゃあああああああああああん!!!」
ミドリは嬉しそうに叫ぶと、一目散にファリア…… もとい、カジキに向かって走り出す!
「やっぱりそういうことかあああああああ!」
「ミドリさんダメですっ、そのカジキは本物のお魚じゃないですううううううう!」
てへぺろとネーダが追いかけるが、二足歩行のミドリに追いつけるはずもなく。
ミドリがカジキに飛び掛かってかぶりつこうとした、その時。
「ブニャッ!?」
奇声を上げて、ミドリは仰向けに倒れた。
そこにいたのは、ナックルを構えたナギサだった。
「……まったく、無関係の人に迷惑をかけないでください。」
どうやら、ミドリがカジキにかぶりつく寸前、ミドリとファリアの間に割って入り、腹パンでミドリを制圧したらしい。
「「……な、ナギサさん(ナギサっち)、すごい……」」
てへぺろとネーダがナギサの行動に慄く中、ナギサは冷静に言った。
「……さて、とりあえずミドリ先生を連れて帰らないと…… 意思疎通は難しそうですし、そもそも私が気絶させちゃいましたし……」
「そ、そうですねっ」
「しゃーない、みんなでミドリネコを運ぼっか☆」
「ミドリネコ?」
「うん、地球にマヌルネコっているじゃん?アレと語感が似てない?ミドリネコ☆」
「……すごいあだ名がつきましたね。」
「でも、ちょっとかわいいかも、ミドリネコ……」
そんな話をしながら、一同は完全に伸びたミドリ…… もとい、ミドリネコと共に、手近なリューカーデバイスへと移動したのだった。
その後の解析で、ミドリの体内から「疲労連動型心身ネコ化ウイルス」、通称「ニャンフルエンザ」という新種のウイルスが発見された。
疲労度に応じて心身がネコになっていくというもので、ミドリの場合はかなり重症だったようだ。
ただし、症状が3日程度で収まること、また生命への影響は無いことから、特段大事になることもなく事態は終息した。
なお、その後ミドリネコの画像がアークスのSNSに流れたことで、再びウイルスが活性化してしまい、ミドリの復帰には1週間ほどかかったとかなんとか。
あとがき
ある日の緊急で、とある理由からパーティメンバーがバニー姿になる中、バニー服もウサミミも持ってない自分はネコ耳を生やしました。
そして緊急終了後、『ネーダちゃん!ナギサさん!大変!ミドリさんが過労で変になってるっ!』というチャットが目に入りまして。それを受けて自分が調子に乗ってセリフを起こしてみた結果、あまりにもカオスすぎて面白くなってしまい書いたのがコレです。いやいいのかコレで。
ちょうどゆるゆるコメディの短編シリーズを始動させたいと思ってたので、タイミングもばっちりでした。キュキュさんありがとうございました。
しかし改めて見ると勢いだけで書いてるなあオイ。