遠い夏の君と_ログ②

エルピス わぁ…立派なところですね
ミドリ ……この辺でいいか。どうせ誰も使わないし
倉上 廉治郎 うわ、すごいなぁ 未来だとこんなきれいな場所で治療が受けられるんだねぇ
魔藤 文香 え、いいん?お客さんも居るし会議室とか
oguma 竣工式でしたっけ、それ以来ですけど…やっぱり立派ですね
魔藤 文香 な、めっちゃ綺麗
ゼルダ 大きな病院よねー
エルピス あ、みなさんは来られてるんですね
リース 病院なんて、普段は来ないもんね
ミドリ いいよ、聞かれて困る話じゃなし、それに
ゼルダ 縁がないのはいい事ヨ
ルナ なるほどここが・・・
ミドリ この2つの部屋、どうせ使わないし
魔藤 文香 うん、この前竣工式に出席しててんっ
エルピス へぇー…
ミドリ この辺だったら邪魔にならないでしょ
魔藤 文香 う、うん
ルナ ツァリの回収ついでで丁度いいタイミングだな・・・
ミドリ こんな時間に仮眠する不届きもののスタッフなんているわけないって~
エルピス 。0(病院かぁ…なんか複雑な気持ちになるなぁ…
ミドリ あ、そうだったね、後で引き渡すよ
ミドリ ……さて、どこから話したものか
ゼルダ まずはスタートからね
ミドリ さっきも言ったけど、あれは僕がダストマンを退役して、一介の救急医になってすぐ後のことだった
ミドリ 救急医って、救命救急センターで救急治療をするだけじゃないんだよ
ミドリ 必要に応じて、外来で退院後の患者の経過観察をすることもある
ゼルダ あら そうなの?
エルピス へぇ…そうなんですね
ミドリ うん、最近は治療して終わりってだけじゃないからねえ
ゼルダ 隙あらば普通の看護師さんになるってことね
リース へえ、それじゃ大変そうだ
ミドリ そ、それはどうかな……?
エルピス アフターフォローというやつですね
oguma なるほど…
ミドリ そういうこと。で、その日は僕がフォローアップ外来の担当だったんだ
ミドリ そこにやってきたのが、例の患者。アサギって名前の女の子だった。当時9歳だったかな、確か
ゼルダ ふむ…あの子達と同じ系列の名前ね…
ミドリ 前任の医師から、僕はアサギのフォローを引き継いでいたんだ
oguma 系列…?
ゼルダ あ、気にしないで …こっちのはなし♪
魔藤 文香 知ってる人?う、うん
oguma は、はい…
ミドリ アサギは生まれてすぐに救命救急センターに急患で運ばれてきた
ミドリ その時、消化器に重度の先天性疾患があることが分かってね。それ以来、何度も入院と手術を繰り返していたんだ
ミドリ そしてちょうどあの日は、入院の日。しかも今回は、彼女にとって最後の手術のための入院だった
ミドリ よりによってそんな大事な日が初対面になるなんてね、ホントびっくりしたよ……
ミドリ ……ところで、君たちの中には傭兵時代のマラカイトと戦った人もいるよね?
エルピス #周りを見る
ゼルダ ん-
ゼルダ ま、一応?
oguma う…い、一応…そうなるのかな…
リース うん、まあ…
エルピス おー…#小さく音が出ないレベルの拍手をする
ミドリ だったらなんとなく想像つくんじゃないかな、アサギと初めて会った頃の僕の性格
ルナ ・・・アカネからデータ貰ってる、って言えばいいか? 一部始終も教えてもらったぞ
ミドリ 少なくとも、こんなフレンドリーな性格じゃないってことは、想像できるんじゃない?
ゼルダ まあ…うーん…
エルピス 。0(そうだったんだ…
在屠 o0(そうだったのか
リース 結構ヤンチャだったねえ
ゼルダ 正直どこまでがお仕事モードだったか…裏の顔なのか表の顔があるのか
ミドリ ……え、あの頃の僕、やんちゃに見えてたの……?意外だな……
ミドリ ……アサギと出会った頃の僕は、無表情、無口、超がつくほどの合理主義者だった
魔藤 文香 そなんや・・・
エルピス 今では結構感情豊かですもんね…
ミドリ そんなもんだから、いざ患者の子どもたちと会ったときにはもう泣くわ喚くわのオンパレード
ミドリ そりゃそうだよね、クソでかい男が無表情で突っ立ってたら、子どもじゃなくても怖がるってのw
ミドリ ……でも、アサギは違った。僕を怖がるどころか、めちゃくちゃに懐いてきた。
ミドリ ……それこそ、ネーダよりも懐かれてたかもなあ。
エルピス そうなんですね…
魔藤 文香 ・・・
ミドリ あの頃の僕は、休憩時間になるとずっとアサギに振り回されっぱなしだったよ
エルピス 。0(はぁ…先に結末聞いてるからこそ胸が痛いなぁ…
ミドリ 屋上から紙飛行機を飛ばしたり、プレイルームでピエロにさせられたり…… いろいろあったなあ
魔藤 文香 ?エルピスちゃんどしたん?
エルピス いや…この話の先に亡くなると思うと聞いてて辛いなって。#小声
魔藤 文香 ・・・あ、そか。そういうことな・・・うん、そうやね【小声】
ミドリ 最初はうっとおしくてテキトーにあしらってたけど、いつからかだんだんとそれが楽しくなってきてね
ミドリ 気がついたら、彼女と何かをするのが激務の中の小さな楽しみになってた
ミドリ そんな中で、僕の性格も、今の僕みたいになった。いや、それこそもっとやんちゃだったかもなあ
愛色ウタウ ……すまない、少し連絡を取っていた#通信機をしまい、シレッと乱入
ミドリ それまでの僕は、その能力や特性をビジネスライクに「信用」されたことはあったけど……
愛色ウタウ んで…昔のミドリに診られるって思えば…昔の僕は謎の反発しそうだな、フフフ
ミドリ 一人の人間として「信頼」されたことなんてなかった。信頼してくれたのは、アサギが初めてだった
ミドリ 確かに、昔の僕だったら馬が合わなさそうだなあ、ウタウと
魔藤 文香 【肘を支えるように手をついて口元に手持っていって考えるような仕草でじっと聞いていて】
ミドリ だから初めて信頼されたのが、よほどうれしかったんだろうね。……いや、実際うれしかったんだ。
ミドリ アサギと過ごす中で、僕は感情ってのを学んでいった。そして、今の僕が形作られていったんだ
ミドリ ……だから僕にとっても、アサギはある意味恩人だよ
エルピス それは…いい出会いをしましたね
愛色ウタウ ……あの状態から、今のミドリを作れるのは間違いなく恩人だろう…
ミドリ ……さて、そろそろ覚悟を決めてほしい。ここからは、この話のコアな部分だ
ゼルダ まあ 私からすればまだまだお堅いけどねぇ
愛色ウタウ ……先天性の消化器官異常だったか
ミドリ うん、そうなんだけど、手術は普通に成功したんだ
愛色ウタウ 成功した?
エルピス え、あ、そうだったんですか…!#身構えてた
ミドリ 予定より入院期間は延びたけど、無事に退院の日を迎えられたんだよ。
愛色ウタウ ……なぁミドリ、まさかと思うが
ミドリ ……ん?
愛色ウタウ 別の症状が後に出てきた、とか言わんよな?
ミドリ う~ん…… 当たらずとも遠からず、ってとこかな
魔藤 文香 当たらずとも遠からず・・・?
ミドリ ……そう、あの日も、こんな暑い夏の日だったなあ
愛色ウタウ ある元疾患から併発する病気は多い…って、近いのか
ゼルダ きっとあれね…アレ…
ミドリ ちょうど「お盆」っていう時期で、世間が連休だ帰省だって騒いでる日だった
魔藤 文香 え、ゼルダさん分かるん?
ゼルダ フフフ…
ゼルダ モゴモゴ
ミドリ 退院を間近に控えたアサギの病室に行った僕は、最後の会話を楽しんでいた。その時だった。
ミドリ ―彼女が僕の目の前で吐血したのは
ミドリ 僕は全力で治療にあたった。僕だけじゃない、救命救急センターのスタッフが総出で対応した
愛色ウタウ 吐血…まだ内臓の異常が治ってなかった訳か…
ミドリ だけど…… アサギは助からなかった。たった1時間のうちに、アサギは帰らぬ人になった
愛色ウタウ ……辛いことを聞くが…最終的な病名は、結局分かったのか
エルピス …っ
魔藤 文香 ・・・
ミドリ うん、吐血と言うこともあって、手術ミスの可能性が疑われてね
ミドリ アサギの遺体はすぐに病理解剖と死亡時画像診断に回された、けど
パンテオンEXE ・・・、
在屠
魔藤 文香 病理解剖って何?【エルピスちゃん他周囲に聞くように】
愛色ウタウ ……客観的に見れば診断ミスを疑うべきだ
ミドリ ああ、まあ亡くなった人の死因を調べるために、患者のお腹を開けて内臓を調べる、ってとこかな
ゼルダ 治すためじゃない手術って感じかしらねTね
エルピス 病気の原因を探るために死後に解剖して探ること…みたいな感じかな
ゼルダ
魔藤 文香 あ、医療ってそういうこともするんや・・・ありがとう
ミドリ でも、原因はわからなかった。消化器からの出血はなし、むしろ出血箇所は消化器以外の全身だった
愛色ウタウ 病理解剖…まぁ、死因の判断の為に解剖する、で説明はとおるか?
魔藤 文香 え、全身から出血・・・こわ
愛色ウタウ ……消化器以外の、全身から?
魔藤 文香 な、なるほどな。ありがとう
ミドリ とはいえ、とりあえず手術ミスの可能性は完全否定されたからね。結局、死因不明として処理されたよ
愛色ウタウ ……ウイルス検査は?
ミドリ それもやったよ。でも何の結果も出なかった
愛色ウタウ 検査で陽性が出れば、ウイルス性出血熱の可能性も出てしまってたが…そうか。
ミドリ ……その夜、僕は結局医局で一夜を明かした。眠れなかったし、家に帰る気にもならなかった
ミドリ トイレに行こうと廊下を歩いていた時、ふと声が聞こえたんだ。誰かが会話をしている声だった
ミドリ たまたま耳に入ったその内容を聞いた僕は、思わずその場で動けなくなった
ミドリ ……その声の主が「アサギ」ってはっきり言ったから
愛色ウタウ ……原因不明、全身からの出血…何処かの誰かが薬物を投与したのか?
ミドリ 話の雰囲気からして、会話していたのはアサギの執刀医とその上司だったのかな?
ミドリ しばらく息をひそめて聞き耳を立てていると、驚くような話が飛び出した
ミドリ 「とにもかくにも、改造自体は成功していたんだ」
ミドリ 「むしろ、元から適性が無かったというのに、よくここまで持ったもんだ」
在屠
愛色ウタウ ……改造、そっちの方面か…
ミドリ ……その言葉で僕はハッとしたよ。アサギとのふれあいの中で、僕は大事なことをすっかり忘れていたんだ
 
―ここは未来科学研究所附属病院。僕を傭兵に仕立て上げた「研究所」の息がかかった病院だということを。
 
ミドリ 僕は彼らがいなくなったのを確認したのち、すぐに資料室に向かった
愛色ウタウ ……原因が廻り廻って自分の関係者なのか
ミドリ そして、病院の電子カルテじゃなくて、「研究所」のデータベースに接続して、実験体のリストを検索した
愛色ウタウ ホントに…因縁ってのは
エルピス それじゃあ…そんな余計なコトをしなければ今もアサギちゃんは生きてられたってコトじゃないですか…!
ミドリ ……そうだね。もしかすると、先天性の消化器疾患っていう事すら、嘘だったかもしれない
在屠 #目を瞑り静かに聞く
ミドリ ……実験体のリストには、見事にアサギの名前が載ってたよ
ゼルダ どこから息がかかってたのかしらねぇ…母体からかも…?
魔藤 文香 ・・・そういうところで働いてたんやったんやね
愛色ウタウ もし嘘であるならカルテも適当な物なんて事もあるのか…
ミドリ ……うん。不覚にも、すっかり忘れてたんだ、僕は。そういう病院だってことを
倉上 廉治郎 oO(余計なことをしなければ、か…耳が痛いねぇ…)
愛色ウタウ 医療施設の風上にも置けないね…
ミドリ ……アサギに施された治療は、表向きは最新鋭の医療ってことになってた
ミドリ だけどそこで用いられた技術は、「研究所」が最強の兵士を生み出すための、研究中の新技術だった
エルピス そんな…まだ9歳やそこらって…子どもですよ。まだまだこれから楽しいことも、色々な経験もするはずだったのに…
ミドリ ……最初から上の連中は、彼女をモルモットとしてしか見ていなかった。
ミドリ そしてアサギに施されたのは、治療なんかじゃなくて、人体実験だった。
ミドリ 彼女は知らず知らずのうちに人体実験の被験者にされ、殺された。
oguma ミドリさんは…いや、アサギさんも「研究所」に利用されたってことですか…?
ミドリ ……そういうことだね。でもあの頃の僕はまだ信じていたんだよ、病院まで腐ってるなんてことはないだろうって
ミドリ もともと「研究所」は選民思想が強くてね
ミドリ 病院の患者は「選ばれた人たち」。だからこそ、変なことはしないだろうって、勝手に信じてたんだ……
愛色ウタウ ……なーんか、ミドリの過去を聞くと…今の医療施設って割かし平和なのを実感するな…
ミドリ ……でも、そんなことはなかった。あの病院は、ただの研究施設に過ぎなかったんだ
魔藤 文香 ・・・そんなん、悪い人も、そら居るよね・・・人っていっぱい居るんやし
ミドリ ……さて、ここで話が終わればまだ救いがあったんだろうけどねえ
愛色ウタウ 知恵を得てる分、たち悪い『おとな』が多いのは困り者だが…
魔藤 文香 え、全然・・・救いあった・・・?
ミドリ あるよ、実験が失敗した末の不運な死ってことなら、まだどれだけマシだったか
愛色ウタウ ……もしかしなくても、更に悲惨な出来事があるのか…
ミドリ ……この実験は単なる新技術の実験じゃなかった
愛色ウタウ 考えられるのは…遺体を使っての蘇生実験…更にそこからの更なる実験地獄、とかだが
ミドリ 「この技術を適性の無い人間に使ったらどうなるのか」、それを調べるための実験だったんだ
在屠 #ギリッ
ミドリ ……最初からアサギが耐えられないことを知っていながら、彼らは実験を行ったんだ
愛色ウタウ #かなり物騒なことを真顔で言っている…だが声に感情がない。
パンテオンEXE はぁ、どの文明もやってることは変わりませんね
在屠 星もだぜ…パンテオンよ
ミドリ ……そして見事に実験は失敗し、披検体は死亡した。だが……アイツらにとっては、それこそが狙いだったんだ
愛色ウタウ ん…知恵があるのに…まるで知性がないじゃないか
在屠 どの星々だってやってることは変わらねぇよ
倉上 廉治郎 ほぼわかっている結果を確定にさせるため、ということかな?
ミドリ ……そういうことだね。加えて、副作用がどれだけあるかを調べたかったんだろう
在屠 だが…実際そういう者の犠牲の上に成り上がっている技術がある…
在屠 それも事実だ反吐が出る
ミドリ もし副作用が軽度のものなら、きっと人体改造の範囲は非適性者にも広がっただろうね
ミドリ 全ては「研究所」のシナリオ通りだった。そして、彼女が死ぬことすらも、必然だった
愛色ウタウ 此処まで聞いて既に、僕と昔のミドリは息が合いそうなのが皮肉なものだが…
魔藤 文香 ん・・・まあうちの地元も昔色々聞いたけど・・・え、シナリオ・・・
ゼルダ 資料にあるニューマンの歴史みたいなものねぇ…
在屠 反吐が出るが…そういう犠牲の上に技術ってものある…
エルピス そんなの…殺人じゃないですか!到底許されることじゃありませんよ…!
愛色ウタウ それを許したのが政府、だろう?
ミドリ だけど世間にこの事実は公表されていない。うまいこと隠したんだろうね
エルピス …っ。 失礼しました…。#ここは病院だったなと思い、気持ちを抑える
ミドリ ……いや、構わないよ。気持ちは十二分によくわかる
愛色ウタウ ……怒る気持ちは分かるさ
ミドリ ……いや、政府も「研究所」の存在は知らなかっただろうね
ルナ 上からしたら下の人間は・・・いや、もしかしたらもっと別の・・・
魔藤 文香 ひゃ・・・び、ビックリした・・・エルピスちゃん大丈夫?【心配そうにエルピスちゃんの顔覗き込んで】
愛色ウタウ だが、生憎今は…そういう『主犯』に会えないし、会いたくない。
倉上 廉治郎 彼女の病気のこともあり、死亡しても不思議ではないということもあったのだろう
ミドリ 僕はこの時誓った。研究所を潰すことを。これ以上、アサギのような被害者を生まないために。
エルピス あ、大丈夫大丈夫…!ちょっと、感情移入しすぎちゃっただけだから…#文香から顔を背けて
愛色ウタウ ……
ミドリ でもご覧の通り、今の僕は、なぜかこのハルファに飛ばされてしまった
ミドリ 元の世界に戻れないんだから、研究所を潰すことなんてできない
ゼルダ ふむ…
愛色ウタウ ……原因不明
ミドリ ……だけど今回、偶然にもチャンスが来たんだ!アサギを救えるかもしれないチャンスが!
愛色ウタウ もし、その原因が研究所にあるのなら…
魔藤 文香 え、アサギちゃんを救う・・・?
愛色ウタウ ハルファに乗り込んできそうだな…?
エルピス それがワープホール…
ゼルダ その子が無くなる前に戻れたのね…
ミドリ ……生きていたんだよ、あの世界で。アサギはまだ……
愛色ウタウ ミドリ。
ミドリ ……だけどやっぱり、過去に干渉することはできなかったのかな……
ミドリ ……ん?
愛色ウタウ 今生きてる人間は、今しか生きられない
魔藤 文香 よ、よう分からんけどゴンゾーのツリーのワープ先はまだアサギちゃんが生きてる頃のミドリさんの世界やったん?
ミドリ ……そういうことだね、さっきも言ったとおり、過去の世界、まだアサギが生きていたころの世界だったよ
エルピス そこでのアサギさんは…どうなったんでしょう
愛色ウタウ 過去をどこまも生きた人間も、未来を何処までも知ってる人間も、生きられる時間は今だ。
愛色ウタウ ……そのアサギを救って、どうしたかったんだ?
oguma oO(ミドリさんのように、もし私があの時に戻れるなら…私はどうするんだろう?
ミドリ ……決まってるじゃないか、アサギに生きていて欲しかったんだよ、僕は!
ミドリ ……そしてそれから、研究所を潰すつもりだった
愛色ウタウ ……ハルファで生きてる、未来(僕たちとの時間)を捨ててもか?
愛色ウタウ なんて意地悪は言うが…
ミドリ ……それ、は、っ
ゼルダ 野暮なこと聞いてるわねえ…
愛色ウタウ 死んでしまったアサギは…今のミドリに何を願うと思う?
ミドリ ……それ、は
愛色ウタウ 自分じゃない『昔の自分』を助け出して、一緒に生きられる未来を…なんて考え、持たんだろう
ロイ やぁ、こんばんは
愛色ウタウ ……けど
魔藤 文香 あ、こんばんはな
ミドリ ……ん、こんばんは
エルピス あ、ロイさん
ゼルダ あら ロイちゃん調子はどお?
在屠 よう
ルナ ああ、こんばんわ
倉上 廉治郎 やあやあ、こんばんは #手をひらひら
魔藤 文香 今ミドリさんのその・・・昔話と、チームシップのゴンゾーが開いたワープの話しててん・・・
oguma …あ、こんばんは…
パンテオンEXE ・・・こんばんは・・・
愛色ウタウ ミドリが遣ろうとした事には…きっと、優しさと想いを見られただろう
リース ロイロイ、お疲れさまっ
ロイ 絶好調だよ>調子
ゼルダ なにより♪
愛色ウタウ ……自分を本気で助けようとしたのが、一番仲が良かった優しいお医者さんだった
ロイ 昔話か・・・少し聞いてみたいね。
ゼルダ ロイちゃんには…あんまり気分のいい話じゃないわよお?
愛色ウタウ 過去をふり返って、それが真実だったって証明出来ただろう?
ロイ いや、君たちの事を知って損はないだろう?
ゼルダ あらん ウフフ♪
ミドリ ……それは、そうだけど……
愛色ウタウ なら、後は無闇に振り返らずに優しい医者を貫き通しな

ミドリがつぶやいたその時、通信機からうるさいほどの大声が聞こえた。その声の主は―

愛色ウタウ #そして大声に遮られる(
ゼルダ あら…ん…?
oguma わ ま、また…
魔藤 文香 え、また・・・
てへぺろ 恐怖せよ!そして慄け!私が天才マッドサイエンティスト、てへぺろさまだあああああっ!
愛色ウタウ っぶ!!#そして噴き出す!!(
魔藤 文香 ・・・てへぺろさんや
エルピス 病院内ではお静かにお願いします…
在屠 ふんっ
ミドリ て、てへぺろ!?
在屠 #雰囲気は少し柔らかめに
パンテオンEXE ふっ、
ロイ 騒々しいな彼女は・・・
oguma て、てへぺろさん…?話、聞いていたんでしょうか…?
ルナ この辛気臭い、場面には丁度いいんじゃないか?#大声に顔をしかめながら
魔藤 文香 アルトさん、どしたん?
てへぺろ 話は聞かせてもらったよミドリン、きっとお盆だからね~、いろいろ混線してるんじゃない?
在屠 いやな…タイミングが良いじゃねぇか
在屠 なミドリ?
愛色ウタウ ……そうだルナ、てへぺろの声で思い出した#なんで思い出す!!(
ミドリ ……まあ、確かに空気は明るくなったけど、っていうかどっから聞いてたのさ!?
ルナ うん?
てへぺろ え、チームシップで『ちくしょおおおおおおおおおおお!』って叫んでたとこから☆
在屠 …。
愛色ウタウ 不思議な実験サンプルがあってな。#なんか…凍り付いた琥珀?を取り出す!!
エルピス だいぶ最初じゃないですか…;
在屠 食えない女だな?#ミドリに対し
ミドリ ぜ、全部聞かれてたのかあ……
ゼルダ むしろ私たちより先の予感
魔藤 文香 じゃあ話早いやんな?
愛色ウタウ いやー、てへぺろさんに渡そうとも思ったんだけどいっこしかなくてな!!#遠回しなてへぺろ虐!!(
てへぺろ それよりミドリン、そのアサギっち?その子にもう一度会いたくない?
ルナ ありがとう、どう使うんだ?#食い気味
oguma …もしかしてミドリさん、通信機の電源がオンになってたんじゃ…
パンテオンEXE 盗聴?
愛色ウタウ いやー、そのな。拾ったものだが解析出来ないか思ったんだ。どうだ?中には虫も…
リース ミドリさん、隠し事なんて出来ないねえ
ミドリ あ~、てへぺろのやつなんか変なソフト通信機に仕込んだみたいでね
愛色ウタウ ……ん?;#てへぺろの言葉に一種の困惑
ミドリ 遠隔操作で丸聞こえできるようにしたんだよ、でもあれ無理やり消去したと思ったんだけどなあ……
エルピス ちょっと!?テヘペロさん!軽々しくそういう話は…!
ミドリ ……って、てへぺろ、今なんて?
てへぺろ ……会わせてあげようか?もう一度、アサギっちに
在屠
ルナ ああ、それは「ノンビリオオマダラカブト」というコオロギの仲間だ、絶滅種だから大切にするといい#琥珀の虫を見て
魔藤 文香 ・・・
ゼルダ 禁忌の予感ねえ
ロイ 禁忌?
てへぺろ お盆だからねえ、科学と霊力のコンボで奇跡を起こしてしんぜよう!
エルピス 。0(ホントにできるの…?できもしないんだったら…やめてよ。希望を持たせるのが一番傷つく。
てへぺろ 気になるなら病院の外にきたまえ、じゃっあねー☆

てへぺろからの通信は、着信時と同様に突然切れた。

エルピス #怪訝な顔をしている
oguma oO(話を聞いてた上でそんな問いかけするなんて…マッドサイエンティストを自称するだけあるなあ…
愛色ウタウ ふむ、そのような種族…ありがとうな。#優しく微笑んで琥珀をしまう!!
魔藤 文香 え・・・外て・・・
ロイ oO(嵐みたいな人間・・・
パンテオンEXE まさか・・・
愛色ウタウ って…ミドリどうする。出てみるか?;
ミドリ ……とりあえず、行ってみようか、ロクでもない研究だったら止めないとだし
魔藤 文香 でもそんなん出来るん・・・怪しない?な、エルピスちゃん
愛色ウタウ ……まぁ被害被るのはほぼミドリで確定だ、だから怪しくても安心してくれ(
エルピス 怪しい…けど。分からないし…できるなら…それが一番いいよ。
oguma …病院の外って…気にならなくても出ないと帰れませんよね…?
魔藤 文香 ・・・う、うん。難しいことよく分からんけど・・・
エルピス 行きますか…
魔藤 文香 え、まあそやね・・・出ないと帰れんやんな
魔藤 文香 う、うん・・・!
ルナ ああ、そうだないざとなったらERの「最高責任者」に押し付けるだけ押し付けてしまえ#休暇返上
ミドリ ……そうだね、行ってみようか
ロイ oO(ここ涼しいなぁ